「役割」と「発達」〜「遊び」と「仕事」
キャリア教育とは
個人にとって、可能で実現できる職業や社会的活動を通して、市民としての役割を果たし、社会的な貢献をしていく。そのような人生の有意義な設計と選択を支える視点を重視する理論。スーパーの職業発達理論をベースに、障害児教育の領域でも、多くの研究者の仕事がある。
キャリア:人が生涯に行う仕事と役割の全体
領 域:職業的、余暇的、家庭的、市民的
これらのキャリアに関係する能力、技能、適性は、誕生以降各ライフステージにおいて発達するとする。
「キャリア教育」とは、各ライフステージにおいて、個人のキャリアにかかわる可能性を助長し、自己や社会に役立つ(人生を充実させる)、生産的労働や作業的活動への参加を促進するために、学校、家庭、地域の全ての成分を共働させる活動。
スーパーの発達理論 (Super)
・人生の5つの発達段階:成長、探索、確立、維持、退職
・自己概念の発達の3つの相:自己概念の形成、移行、成就
・仕事への動機付けの要素:知識(認知的)、参加(行動的)、関与(情緒的)
作業行動 (Reilly)
遊びは、現実世界を探索する行動であり、自己の有能性を学習する行動でり、達成行動である。達成を支えるもう一つの舞台が、仕事である。
遊びと仕事(職業)の発達的連続性は作業行動と呼ばれ、その過程にある職業選択は、両者を結ぶ架け橋である。
達成あるいは技能習得には、役割モデルが必要となる。作業療法士は自らを役割モデルとすることもできるし、他の適切な患者を役割モデルとすることもできる。
人間作業モデル (Keilhofner)
1.この理論モデルの骨子は、3点
2.作業機能と作業機脳障害の連続性
作業機能のレベル 作業機能障害のレベル
…達成 …非効力性
…有能性 …非有能性
…探索 …無力
3.人間作業モデルは、これらの作業機能障害の状態に応じて、各人に適したプログラム を作成する。
●まとめ
対象者の持つ様々な役割を同定し、役割遂行のための技能を育むことは、障害者の職業リハビリテーションの推進にとって、欠くことのできないものである。