よくよく見返してみれば、それなりに面白いところもあった50話だったのですが、どうしてもはりきって感想を書こうという気力があんまり湧かないのでした。それは多分、せっかくこれまで脇役から主役まで、それぞれにとても個性的で魅力溢れるキャラクターが活躍し、一年間かけて積み上げてきた人間関係やドラマがあり、それがあともう少しで終わってしまうというこんなぎりぎりになって、ほんの数週間前にぽっと出のキャラクターが、たいした個性も魅力も発揮することなく、ただ無駄に大切な時間を食いつぶしてくれたせいだと思います。今まであぎとが大好きで、主役たちはもちろん、脇役のみんなのこともみんな好きで、毎週わくわくしながら放映を待っていた身としては、あのいらない女二人の登場回からこちら、全然楽しくなくなってしまいました。
が、つまらない、つまらないと嘆くばかりでは感想にならないので、面白かったところも語ってみます。
まず、津上を遮ったg3とg3x。先週の放映では、中に入ってるの北條と白河なのかと勘違いしそうでしたが、尾室だったのですね。もともとコウモリ君だった尾室ですが、こんなどたんばで小沢さんを裏切るとは、いい度胸してんじゃん、なんて思ってしまいました。北條のあのニヤリは、g3x装着の念願かなってのニヤリだったのか。しかし、この人は、あんのうん相手にものすごく恐い目に遭って、無茶苦茶みっともなく逃走したことは、覚えてないんでしょうか? そりゃあ、あの簀巻き事件はあぎとになる寸前だったらしい女の犯行だったわけで、あぎと敵視の理由になるかも知れませんが。それだけを覚えているというのは、随分とバランスを欠いた記憶力じゃあありませんか。それとも、涼に殴られたのも根に持ってる? けど、涼が殴ったのってSpecialでの話なんで、あれは本編とは微妙にパラレルなんですよね。
白河氏は、唐突に現れ何の説明もなく警察上層部に居座っているのですね。ああ、ひろせさんだぁ、とか思ったら特撮ファンは無意味に納得しちゃってるのかも知れませんが、普通の視聴者には、何がなにやら解らないんじゃないでしょうか。
香川県警への異動を申し渡され、氷川は津上に会いに行きました。ひっかかったのは「ぼくたちの間にも色々ありましたが」という氷川の台詞。そうそう、色々あったよねぇ、色々。と、なんだか妄想いっぱいに頷いてしまった。いや、妄想入らなくても、それなりに色々ありました。一緒に日曜大工やったり、不器用って言葉にむきになったり、テニスもしたし協力しあって犯人逮捕したことだってありましたよ。そりゃあもう、迷コンビと呼ぶに相応しい二人でした。最後も一発かましてくれるかと期待したんですが、あぎとの会補欠から正会員への昇進という話があったくらいでしたね。「補欠ですけどね」とか言ってた氷川を見たときには、マシな演技が出来るようになったものだと、感慨深いものがありました。開始当初は、どうなってしまうのかと、なんだかはらならする思いだったんですが、今ではすごく魅力的な表情とか見せてくれるようになりましたし、台詞も自然な感じです。
津上があの女(←もう、名前呼ぶのもむかつく)の手を離しそうになった寸前、その手を離すなと加勢する沢木。というか、ホンモノ津上。いやぁ、彼は美味しいところをもっていきます。やっぱり恰好いいっす。華があるってこういうことを言うんだなぁ、と思いました。なんだか、津上の存在がかすんでしまいそうな場面でした。
しかし、今までの津上のノリを思い起こすとこの場面。「いやぁ、実は俺もなんですよね」とニコニコ笑って変身して見せかねない。と、思いながら見てたんですが、さすがにそこまでギャグに落とすわけにもいかなかったようです。変身した彼を見ていたあの女は、いったい何を思ったのでしょう? 自分も彼と同じ姿なら、ま、いっか。と? まさか、さっきまで投身自殺しようとしてた人間が、あっさりそこまで楽観的にはなれないですよね。だからと言って、あんなモノに自分もなるくらいなら、やっぱり死のう。じゃあ、お話にならないし。とか、考えると、どういう結論に達するものか、いまいち想像がつきませんでした。
そもそも、あんなに何が起きているのやら、まったく状況の知れない場面で、いきなり飛び降り自殺しようという発想は、あまりにも早急で短絡的だと思うんですよね。普通の発想ならばまず「信じられない」「何かの間違いじゃないのか」というところにいくんじゃないでしょうか。彼女にしてみれば、それが一過性のものなのか、この先どんどん悪化(?)して、死ぬまでこのままなのかも解らないはずです。津上姉いや、沢木姉というべきか、彼女の場合は、色々な実験などを経て、ある程度状況を把握したうえで、あぎと化が始まり、それがどういうことなのか理解したうえで、(その理解が正しかったのか間違っていたのは、おくとしても)自殺に至ったわけなので、まだ解るような気がするんですけど。結局、津上があの女と姉の姿を重ねて見るという状況を作り出したいがための物語展開だったんでしょうが、かなり無理を感じました。それこそ、これをやりたかったのなら、彼女の登場があまりにも唐突過ぎるんですよね。もっと前からの知り合いで、長い時間かけて少しずつ出番があって、彼女はお父さんを不可思議な状況で殺されている過去があり、今はドジを繰り返しながらも、なんとか父の跡を継いでシェフになろうと頑張っている津上の同僚である。というキャラクターがすっかり確立されてからなら、まだこんな違和感は感じなかったんだと思うんですけど。
さて、香川に帰るために空港に行く氷川と見送る小沢。「あなたはいつまでも私にとって一番の英雄よ」って、どっちかって言うとその言葉、そっくり小沢さんに進呈したい。いつだって、傍若無人な言動で、周囲の男どもをなぎ倒す勢いが恰好良かった。つけたしのようですが、氷川の皮ジャン姿も恰好良かった。
そんな場合なのか? と聞きたくなるような優雅なランチタイムの、北條と尾室。尾室は、あんのうん保護の立場に疑問を呈する。けど、自分たちは正しいと繰り返す北條。何度も強く言い張ってしまうところに、彼自身の弱気を見たと思ったんですが、深読みしすぎでしょうか?
そして、決め台詞とともに、変身した津上。最終決戦へなだれ込むらしい以下、最終回へ!
◆◆最終回◆◆
氷川と涼が津上を大声で呼んでるのが印象的な予告編でした。主人公たちの、明日はどっちだ? あと、真島君の出番はないのか?←こればっかり気にしてる。
今回のあぶり出しは、あんまりお馬鹿なことを考えてしまったので、一応ここに書いておこうかと。
小沢さんいわく、あぎとは人類の可能性だと。人類は進化してあぎとになるのだ、という主張らしいんですが。それで、世の中のみんながあぎとになっちゃったら、かなりビジュアル的に気色悪いことにならないかな? だいたい、アナザーとかぎるすなら見分けつくけど、どうもあの女とか姉とかの変身した姿って、津上あぎとと一緒だったから、見分けつかないじゃん。