香川チームは、英雄崇拝? なんだか変なノリです。彼らにとっては「一人の犠牲によって多くの命を救うこと」が目的ではなく「自分が英雄になること」が、目的のように聴こえるんですけど。それって、数いるライダーのなかでも、かなり不愉快な部類の「戦う理由」ですよね。まだ、浅倉みたいに「戦うのが好き」って方が、解かり易いし、腹が立たないような気がする。いいことだとは言えないし、人を殺すのが好きだったら、そうしてもいいという話ではないんですけど。
相変わらず蓮のことばかり考えている真司。花鶏でバイトを始めた東條に対しても、ミラーワールドを閉じる方法を話せと迫る。「こっちは命を落としかねない奴がいるんだ」と、すごい勢いで蓮の心配です。そして、それが蓮のことだっていうのは、東條にもあっさり見抜かれてました。ナイトは自分のためだけに戦っている。英雄からはほど遠いと非難。これに対して、予告にあった真司の台詞。「あんたに蓮の何が解るんだよ」になるわけですね。まぁ、調べてるって言ってるから、もうバレてるかも知れないんですけど、相手が「ナイト」って呼んでるのに「蓮」って言っちゃうのもどうなんでしょう。須藤刑事のときみたいに、真司ばバラしてるように見えなくもないですよね。
しかし、なんでも「英雄かそうでないか」で物事を測るその感性は、危ない気がします。何かの狂信者のようで、恐い。だいたい、上に書いたように自分が英雄になりたいために戦ってるとしたら、それこそ自分のために戦ってるという事になると思う。
そしてまた、黒いライダーもどきに襲われる優衣。助ける真司。戦いのあと、すぐ近くに東條を発見して、真司は彼がライダーもどきと断定して問い詰める。おばさん、みんなが手伝わないから東條を雇ったのに、こいつもこんな風に外ふらふらしてるよ。いいのか? んで、東條は自分が何かは言わないまま、ミラーワールドを閉じる方法をあっさり真司に教える。神崎優衣さえいなければ、ミラーワールドはなくなるし、ライダー同士の戦いも終る、と。多勢の人が助かるなら、小さな犠牲だよね、なんて淡々と語る。芝浦みたいに、目に見えて生意気っていうのとは違うんだけど、どうにも見てる人間を苛々させる独特の嫌な雰囲気のある人ですね、東條は。あの妙な冷静さが、熱くなってる真司を小馬鹿にしてるように見えるからかも知れません。
熱くなっていると言えば、あまりきっかけも解らないのに、唐突に熱かった仲村君。401号室で暴れようとして、香川教授に「これは、復讐ではないのですよ」なんて言われてました。仲村君だけは、あの三人の中にあっても、英雄かそうでないかということよりも、ただ研究室の犠牲者たちを惜しみ、神崎兄の邪魔をしてやりたい、という気持ちが強かったらしいです。それにしては、優衣の電話攻撃に負けて、資料を渡したりして、どうも一貫性の感じられない人です。あの時、彼は優衣にかなり同情的な態度だったと思ったんですが、それでも、ミラーワールドを閉じるためには殺さなければなんて考えに至ってしまうものですかね。まだ、東條のように優衣とまったく関わりがなかった人が、殺そうとするなら解る気がするんですけど。
真司は蓮に会いに行って、戦って最後に勝ち残って、それで彼女を助けても、彼女はそれを喜ばないと思うと告げる。それに対する蓮は、解っているけど、それでも生きていて欲しい人間がいる。と、恰好良かった。誰のこと言ってるのか、考えないで聴くともう、惚れ惚れするほど恰好いい台詞だった。世界中を敵にまわしても、なんて歌のまんまですが。結局、彼女に言われるまでもなく、蓮は彼女のためではなく、自分のために戦ってるわけですよね。彼女がそれを望まないだろうことが解っていても、それでもって気持ちで。彼女は、蓮が戦うことも、戦って人を殺すことも、是としないでしょう。でも、それがどれほど彼女の哀しむことでも、蓮が望むのは彼女を哀しませないことよりも、ただ彼女が生きているということ、それだけ。真司には、理解し難いのかも知れない。それとも、理解出来るところもあるから、辛いのかな。理解は出来ても、共感は出来ないというところでしょうか。多分、真司は誰も殺したくない人だから。どれだけ大事な人がいて、その人の命を守るためでも、人殺しという手段は選べない。自分が盾になってでも守ろうとすることはあるかも知れないけど、それでも過失でない限り能動的にライダーを殺すことはなさそう。
ずっと一緒に戦ってきて、こういうぎりぎりのところで、考え方や戦う覚悟に対する落差を見せつけられた真司。もう、どうやっても蓮を止めることは出来ないと思ったのか、それでも、やっぱり止めたいと思っているのか。止めたいと思ってますよね。蓮は「間違ってるかどうかは関係ない」と言い「それでも」戦うと言う。真司には、そんな蓮を間違ってると言えないだろうけど「それでも」止めようと思う。
そういう主人公たちの心理的にも、すごい盛り上がってきてますよね。これから、彼らそれぞれの思いに、どういう決着をみせてくれるのか。自分なら、どうするだろう? と、考えても、全然思い浮かびません。蓮の悲愴な決意は、胸に痛い。それだけに、真司には、どうあっても蓮を止めて欲しいです。
ところで、また狙われる優衣。真司がライダーもどきと戦っていると、タイガが出てきて、あっさり殺してしまいました。もどきの正体は、仲村君。ミラーワールドで変身がとけて、あっさり消失。
真司は、優衣を狙った相手であっても、やはり人殺しは許せず、正体の解ったタイガas東條を責める。けど、子供の言い訳みたいなことを言う東條。「中村君には悪いことしたかも」「でも、もうやっちゃったから」って、殺してしまった後に、ほとんど罪の意識が感じられない台詞。でも、一応涙つき。責めてた真司は、この涙に勢いをなくす。けど、優衣を殺したくなくなったからという東條の台詞は、どう聴いても眉唾もの。あんな風にあっさり仲間を殺すような男、信用してはいかんと思うんですけど、真司、どうするんでしょう?
久しぶりに登場の浅倉、とっても苛々してます。私も別の意味で苛々しつつ、浅倉にシンクロ……ってほどでもありませんが。相変わらず怪しい笑いのアップで以下次週!
◆第39話◆◆
浅倉大活躍の予感? そして、優衣を守るために、蓮と真司が共闘するなら、香川チームに感謝してもいいv
↓脳内変換が必要
生きていて欲しい人って、ちゃんと見てれば常識的に考えて誰をさしてるのかぐらい、解りますけど。でもね。やっぱりここは、心の平安のためにも「真司」のことよねっと思っておかないと辛い。そして、その思いが真司のためでも、やっぱり止めたいだろう真司の思惑もまた切なさ2倍で。真司は、それに負けないだけ強い思いで、蓮に生きてて欲しいって思ってるよねv