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倫子:「あの……さち子さん、準備できましたけど……」
さち子さん:「あ、ありがとうな、倫子ちゃん。助かったわ。うーん、そろそろ来る頃かなー? いやぁ、これやるんもひさしぶりやわ〜」
美琴:「あの〜、ところで、お手伝いの倫子ちゃんはともかく、どうしてあたしが呼ばれたんでしょう?」
さち子さん:「まあ、『斬影』つながりてゆうとこかなぁ……。同じAISのゲームやし、あたしらのこと知らん人も、もう多いやろしなー」
美琴:「あはは……(苦笑)」
さち子さん:「はじめての人とかもおるし」
美琴:「そういえばさち子さん、開店記念とかやらないんですか?」
さち子さん:「へ……?」
美琴:「ほら、Web上で公開するのは、初めてなわけだし……」
さち子さん:「…………はっ! いや、そこはほら、ネットから入れるよーになったってゆーだけで、お店自体はずっと開いてたわけやし、今さら開店記念ゆーんも、なんか変やなぁと……」(実は忘れてた)
倫子:「…………」(なんとなく気づいたけど、だまってる)
さち子さん:「あっ! 来た来た。お客さん、来たでー」
さやか:「ここか」
さち子さん:「いらっしゃいませー」
さやか:「橘さやかだ。よろしく頼む」
さち子さん:「こちらこそよろしく、店主の桃山さち子ていーます。まずはお茶でも飲んで、ゆっくりしてもらおか」
* * *
さやか:「それで、わたしは何を話せばいいんだ?」
さち子さん:「うーん、そやなぁ……基本的にはリアクションの行動報告とか、ひまな時何してたかなんかを話してもらうことになると思うわ。あと、できれば、次のアクションのおおまかな方針とかも。まぁ、リアクションの方は、また届いてからやね」
さやか:「なるほど。でも、それだと、今日はどうするんだ?」
さち子さん:「そやなー、やっぱ最初やし、自己紹介してもらうんがええかな」
さやか:「わかった。わたしは……」
さち子さん:「あ、ちょっと待って。よそのページ見たらわかることを、またここで聞いてもしゃあないやろ? せっかくの対談形式なんやし、もっと突っ込んだ話とか聞いてみたいと思てるんやけど……」
さやか:「それもそうだな」
さち子さん:「そういう、リアクションに出てこぉへんような情報を出していくのも、このページの目的やねん。けど、あんたはラッキーやでー。今日いる子らは、おとなしい子ばっかりやから、するどいツッコミも入らへんし」
さやか:「わたしは別にかまわないぞ。隠しだてすることなど何もない」
さち子さん:「まあ、ゲーム期間も残り少ないけど、できるだけ多くの機会を設けていきたいなぁて思てるから、よろしくね」
さやか:「うん、世話になる」
美琴:「あたしの時は、結局一回もやってもらえなかった……」
さち子さん:「下書きまでは出来てたんやけどねぇ(苦笑)」
* * *
さち子さん:「ほな、今回は家系の話。実はさやかさんの家は、睦月の歴代PCのうちで、いちばんお金持ちです」
さやか:「そうなのか? まあ、かなり裕福な方だな。上を見ればきりがないが」
さち子さん:「会社経営者の親族なんやって?」
さやか:「うん、海運業を営んでいる。現当主は、わたしの祖父だ」
さち子さん:「正真正銘のお嬢様やなぁ……」
さやか:「わが一族は代々、海で生きてきたんだ。歴史をさかのぼれば、もとは水軍だった」
さち子さん:「水軍……?」
倫子:「あの……、水上で戦う武士団のことです。平和な時には海上輸送に従事したり、その警護にあたったり……」
さやか:「よく知っているな、その通りだ。わが橘家は、承平天慶の乱において、藤原純友と共に戦ったこともある、由緒ある家系なんだぞ」
さち子さん:「確か、海賊の反乱やって習ったような……」
さやか:「うん、海賊もやっていたからな」
さち子さん:「…………」
さやか:「水軍というのはそうしたものだ。いちおう言っておくが、今はやってないぞ」
さち子さん:「お姫様っちゅーても、雅やかな公家の姫さんゆーよりは、勇ましい武家の姫さんの方やってんなー……」
さやか:「それでも、礼儀作法の稽古はちゃんと受けてるぞ。ダンスも特訓した。広東語は間に合わなかったけど……」
さち子さん:「なんで広東語?」
さやか:「陸景殿を驚かせるためだ。次に会う時までにぺらぺらになって、広東語で日本を案内してやろうと思っていたのに、インドから帰ってみたら、もう日本に来てたんだ。あいつめ」
さち子さん:「わざわざ、そんだけのことのために〜?」
さやか:「驚かされっぱなしというのでは、癪だからな」
さち子さん:「なんでそこまで、その人にこだわるん?」
さやか:「別に、こだわってるわけじゃないぞ。借りを返したかっただけだ」
さち子さん:「ふうん……」
さやか:「……いや、少しこだわってるのかも知れないな、わたしは」
さち子さん:「なんで?」
さやか:「初めて会ったときに思ったんだけど、陸景殿は、少しわたしの父に似ているんだ」
さち子さん:「似てる……て、容姿とか?」
倫子:「誇り高いところですか?」
さやか:「性格の悪いところがだっ!」
倫子:「…………」
さやか:「あんな性格の悪い人間が、他にもいるとは思わなかった」
さち子さん:「あはは……。そのうち、その性格の悪いお父さんの話でもしたいなぁ」
〜 つづく 〜
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