from Paper Moon

店主 お客さま 本日の外野
桃山さち子 橘さやか 雨堂倫子 清水美琴 日向杏子
喫茶店ペーパームーン店主。
睦月のキャラの中で、いちばんのんき。
「WW」PC。蛇龍。
睦月のキャラの中で、いちばんおこりっぽい。
ふつうの高校生。
睦月のキャラの中で、いちばん押しに弱い。
〈識〉の御堂で巫女。睦月のキャラの中で、いちばんロマンチスト。 角振り獣士。
睦月のキャラの中で、いちばんおっちょこちょい。




さち子さん:「ちゅーわけで、お待たせしました。今回は、ちゅーの話です☆」

さやか:「ちょっと待て! なんでそうなるんだっ!?」

さち子さん:「だって、したやん」

さやか:「うっ……!」

さち子さん:「まー、アクションも出し終わったし、ここんとこ暗い雰囲気が続いとったからな。なんか、こう、ぱぁーっと明るうなるよーな話題をと思て」

さやか:「どこが、明るくなるんだ」

さち子さん:「ほら、そこ」

杏子:「はーい、聞きたーい☆」

美琴:「ええっと、あたしも……」

倫子:「……(ふるふる)」

さやか:「ひとり、首振ってるのがいるじゃないか!」

さち子さん:「まーまー、あの子は人が困るようなことしたがらへんから……。逆にさやかちゃんから積極的に話したいゆーたら、喜んで聞いてくれるで」

さやか:「話すかっ! だいたい、なんでこんな話題で盛り上がるんだ?」

さち子さん:「なんてゆーかなぁ、リアクションでのキスシーンて、意外とありそーであらへんねん。けっこーレアな話題やねんよ」

杏子:「そーだよねー。今ここにいるメンバーだと、他はさち子さんだけだもん」

さち子さん:「そやったなぁ……いちばん最初はあたしやった。それも、いちばん最初のゲームでや。あんまし突然やったから、プレイヤーが腰抜かしとったけど……それも今となっては、ええ思い出や(遠くを見る目)。そーゆー意味で、睦月のPBMの歴史は、ちゅーで始まったとゆうても過言やない!(びしぃっ)」

さやか:(ひょっとして、めったにない話だからネタにされるだけなのか……)

さち子さん:「ちゅーわけで、ほな行こかー☆」

さやか:「ちょっと待てーーーーっっ!!」

*     *     *

さち子さん:「さて、今回のケースがいつもと違うんは、さやかちゃんの方が、自分から先にちゅーしたとゆーことです☆」

さやか:「ばっ……!」

さち子さん:「違った……?」

さやか:「いや……、違わない」

さち子さん:「これまでやと、女の方が受け身やったってゆうか……待ってる側やったことが多かってん。さやかちゃんの場合、待ってる女は性に合わないとか、そーゆーことなん?」

さやか:「別に、そういうわけじゃなかったんだけど」

さち子さん:「その相手の人のことやけど……、やっぱし好きなん?」

さやか:「キスは、ふつう好きな相手にするものだ」

さち子さん:「つまり、好きやっちゅーことやろ?」

さやか:「好意は持っていた。いつから好きになったか、なんて聞いても無駄だぞ。わたしにもわからないんだからな」

さち子さん:「てゆーか、告白すっ飛ばしてちゅーしとるし」

さやか:「あ、あれは……その、彼の前だと、どういうわけか、うまく言葉が出てこなくなるんだ」

さち子さん:「いつも自信満々やったさやかちゃんがねー……」

さやか:「だからといって、別に前からキスしようと思って、機会をうかがっていたわけじゃないぞ。ただ、なんというか……あの時は、体が勝手に動いたというか、ああするのが自然のように感じたんだ」

さち子さん:「ふうん……そっか。でも、さやかちゃんの気持ちはわかったけど、陸景さんはさやかちゃんのこと、どう思っとるんやろ?」

さやか:「それは……わからない。私の【龍眼】でも、人の気持ちを見ることはできないから……。でも……」

さち子さん:「でも?」

さやか:「最初にキスしたのはわたしだけど、次のキスは向こうからだった」

さち子さん:「気持ちに応えてくれたんやないかってゆーことやね……。でも、そん時の陸景さんって、戦いに負けたり、じぶんちの秘宝を失ったりして、弱気になってたんやろ? 一時の気の迷いとかゆうやつやないやろなー?」

さやか:「!(ぴくっ)」

杏子:「あ、さち子さんにしては、するどいツッコミ」

さち子さん:「ふっふっふっ……伊達に長いこと案内役はやってへんねん(笑)」

美琴:「でも、例えそうでも、そんな時に頼られたり、気を許してもらえたのが、他の誰でもなくて、自分だったっていうことだけで、あたしは十分だなぁって思います」

倫子:「……(こくこく)」

さち子さん:「うーん、ええこと言うなぁ。さやかちゃんはどう? …………あれ? さやかちゃん。……さやかちゃん?」




さやか:「……もし、そうだったら、 しばき倒す!!

さち子さん:「は?」

杏子:「そーだよねー。あたしだったら、ホームラン(※1)でぶっ飛ばすもん」

さち子さん:「あああっ! なんかふたりがこわいっ」

*     *     *

さち子さん:「ううっ、さやかちゃんて、沸点低いー」

倫子:「あの……でも、そのぶん冷めるのも早くて、いつまでも怒ってませんから……」

杏子:「一説によると、橘の姫の逆鱗の感度は、通常の蛇龍の3倍という話があるとかないとか」

さち子さん:「杏子ちゃん、ひとのこと言えへんやん……」

美琴:「戦闘なんかでは、冷静な判断ができる人なんですけど……」

*     *     *

さち子さん:「つまり、そんな理由でキスしたのなら、許さんというわけやね……」

さやか:「そうだ。それに、例えわたしに恥をかかせないためだったとしても、それでは、わたしがみじめなだけだ」

倫子:「そんな……」

さやか:「そんな顔をするな。でも、陸景殿は誇りを知る男だ。だから、わたしの誇りを傷つけるようなまねはしないと思う……」

さち子さん:「本気、やったってゆうわけね」

さやか:「じゃなかったら…………」

さち子さん:「あああっ! 目がっ、目がこわいっ!」


〜 つづく 〜




(※1)『叫びの血潮ホームラン』 杏子ちゃんの必殺技のひとつ。でっかい角(つの)で、ただ力まかせにぶん殴るだけだが、その角の重さが300kgもあって、地球上で2番目に硬い物質でできているとなると、だいぶ話は違ってくる。いや、これで殴られて死んだ人はいないんだけどさ……(笑)。



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幻の第0回 第1回


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