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美琴:「……なんだか、重苦しい雰囲気ね」
倫子:「あの……リアクションが届いたらしいんですけど、その……状況があまりよくないらしくて……」
美琴:「そう……。あの様子だと、かなり悪そうね」
倫子:「…………」
* * *
さち子さん:「……………………」
さやか:「……………………」
さち子さん:「元気ないなぁ……。まあ、しゃあないけど」
さやか:「ああ、すまない。いや、これからどうするべきなのか、考えていて……」
さち子さん:「どないなったんか、聞かせてくれる?」
さやか:「結局、わたしたちは『補天の儀』を行なうことができなかったんだ。『女禍の槍』を奪われてしまったから」
さち子さん:「とられたって、誰に?」
さやか:「『アキティル計画』。〈パイル〉を〈ロンギヌスの槍〉と〈女禍の槍〉で共鳴させて、〈皇蛇〉に放つという、三相合同のプロジェクトだ。実質的にはMOG主導だが、提唱者は『虚』だと聞いている」
さち子さん:「その、なんとかの槍は?」
さやか:「『アキティル計画』に使われて、壊れてしまった。わたしたちも、計画の阻止と槍の奪回に動いたけど、間に合わなかった」
さち子さん:「『補天の儀』って、結局なんやったん?」
さやか:「わたしも、詳しい内容は聞いてない。何かを生み出す儀式ではないかと言われていたが、たぶんそれは、天を支える新たな柱……新しい〈皇蛇〉だったんじゃないかと思う。古い王を殺して、新しい王に代える……死と再生による豊饒の回復。その再生の部分を担うのが、『補天の儀』」
さち子さん:「なるほど……(てゆーか、わかったよーな、わからんよーな……今度、ライムにでも聞いてみよ)」
さやか:「だが、不覚だった。わたしは、儀式のことに気を取られすぎていた。肝心の槍を奪われてしまっては、どうしようもないというのに」
さち子さん:「でも、槍を奪いに来るって予測はしてたんやろ?」
さやか:「実のところ、正面から力ずくで来られた場合の対処方法は、考えてなかったんだ。いや、考えてはみたんだけど、わたしの力では防げなかった。惡仁というのは、敵に回すと厄介だな……」
さち子さん:「イェルマーの領域は……?」
さやか:「消滅した、と聞いた。京は……藍沢様や八重たちは、どうなったんだろう……」
さち子さん:「さやかちゃん……」
さやか:「情けないな。わたしは、イェルマーに渡った友だちの力になることができなかった……。『補天の儀』を成し遂げることが、こちらの世界に残ったわたしが、唯一してやれることだと思っていたのに……」
さち子さん:「陸景さんは、無事やったの?」
さやか:「…………ああ、怪我をしているけど」
さち子さん:「よかったやんか」
さやか:「そうとばかりも言えない。戦いで、命を失った仲間がいるからな」
さち子さん:「そやね……」
さやか:「それにしても、あの燎と相打ちとは……小覇王と呼ばれるだけのことはある。知らないこととはいえ、よく『貴方を守る』なんて口にしたものだ。思い出しただけで顔から火が出る」
さち子さん:「まーまー、それでもいくらか役に立ってるかも知れへんやんか」
さやか:「だと、いいんだけど」
さち子さん:「これから、どうするん?」
さやか:「今はまだ、なんとも言えないな……。わたしたちは切り札を失った。新たな切り札があるかどうかはわからないけど、それを見つけるしかない」
* * *
さち子さん:「ちゅーわけで、ちゅーの話はまた今度や(笑)」
美琴:「ちゅうの話ー☆」
倫子:「ちゅ……ちゅう?」
さやか:「ん、何か言ったか?」
さち子さん:「なんもない、こっちの話」
さやか:「そ……そうか?」
〜 つづく 〜
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