2.熱の伝わり方・・・高気密高断熱住宅の矛盾!

2 熱の伝わり方と高気密住宅の大きな矛盾 1973年のオイルショック以来、住宅も省エネルギー性が求められ、断熱材としてグラスウールが詰められてきました。 それはアルミサッシの普及と共に、今までの隙間の多い家から中途半端な気密性の良い家へと変化していったのです。 

 この事により、天井裏、壁の中、床下などの壁体内で結露が発生し、その水を吸収した断熱材、木材が腐朽菌により損傷を受け、建物の劣化が著しく早められ、「室内の結露」によるカビ、ダニの発生によるアレルギー問題と共に住宅の大問題として浮かび上がってきました。 これは住宅の安易な断熱気密化がもたらした弊害と言えます。 

従来の断熱、省エネ技術においては、「より熱伝導率の低い断熱材」の開発に終始しており、つまり「伝導」にのみ多くの集中力を注いでおり、それもそろそろ限界に近づきつつあります。
一方では「対流による熱損失」を無理して減らす為に「高気密」の追求に血眼になってきました。その結果、換気を数倍に上げなければ、室内環境の汚染の為に健康に重大な影響を及ぼすとの危惧が拡大し、計画換気が義務付けられました。

しかしながら熱交換型の換気扇というものは、まだ熱の交換率が低く、対流式の暖房の熱などはかなり逃がしてしまうため、経済的とは言えません。

またそれが24時間回り続ける事自体、大いに無駄ではないでしょうか?
それでは今までの「高気密の促進による省エネとは」一体何だったのか・・・という大きな矛盾を生み出してしまいました。
 
結露がおこる訳