
高断熱高気密住宅の生業
1973年のオイルショック以来、住宅も省エネルギー性が求められ、断熱材としてグラスウールが詰められてきました。
それはアルミサッシの普及と共に、今までの隙間の多い家から中途半端な気密性の良い家へと変化していったのです。
この事により、天井裏、壁の中、床下などの壁体内で結露が発生し、その水を吸収した断熱材、木材が腐朽菌により損傷を受け、建物の劣化が著しく早められ、室内の結露によるカビ、ダニの発生によるアレルギー問題と共に住宅の大問題として浮かび上がってきました。
これは住宅の安易な断熱気密化がもたらした弊害と言えます。
この様に大問題として取り上げられ、国から24時間計画換気が義務付けられた今でも、形だけの換気設備と中途半端な断熱気密の家が大半を占めているのが実状です。
地球温暖化対策であるCO2削減等の環境問題は今後ますます厳しくなり、我々は、自分達の住む地球を守る為、又、未来の子供達の為にも真剣に取り組んでいかなければなりません。 住宅にもいっそうの省エネルギー性を求められ、それにより住宅の高断熱高気密は避けて通れない道です。
しかし、それを安易に行うと「家」又はそこに住む「人」の寿命を縮める家になりかねません。
今こそ、建築・建設の断熱に必要な3原則「伝導」・「対流」・「放射」を見直す時ではないでしょうか?特に、建設業界に於いて「放射」は、面倒で難しいという思いがあり3原則から欠落し、「放射」の概念が無かったのは確かです。
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