大己貴神が出雲の国の美保岬にいたとき、舟に乗った小さな神が近づいてきました。
大己貴神が
「あなたは何という神様ですか」
とお尋ねになりましたが答えないので、 側近にお尋ねになりました。ところが誰もわからかったので、また別の者にお問い合わせになりました。
「この方は、神産巣日神(かみむすびのかみ)の子で、名を少彦名神とおっしゃいます。」
と答えが返ってきたので、 大己貴神は早速、神産巣日神に
「たしかに私の子である。 多くの子の中でこの子は私の手の隙間からこぼれ落ちた子である。 これからはあなたと兄弟になって、互いに協力し、国造りに励みなさい。」
と言われました。 それ以来二神は力を合わせ国造りに励んだといわれております。
また、童話の「一寸法師」の原型とも言われております。
※神産巣日神は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、 高御産巣日神(たかみむすびのかみ)と並んで「造化三神」と呼ばれ、
天地創造、万物生成の大事業を行った神であります。