普段の寮生活でもそうであったが、素直にかつ謙虚に本物を語れる風潮は
この寮の最高の伝統であった。そこには最初から、恥ずかしさなどを同居させる余地など
持ち合わせていなかった。
私は極端な恥ずかしがり屋だったので、最初のうちはなかなか馴れないで居たが、
そのうち寮のここのところが一番好きになって行った。
中学や高校時代の友人達に言わせれば、この部分の私が寮生活を通して、
一番大きく成長したところのようである。
その若者達の歌声は、澄み切った青空の端まで届かんばかりであった。
若者の合唱がしばらく続いた。すると周りの見知らぬ人たちがつられて仲間に入ってきた。
参加者が多くなっった事で益々拍車がかかって調子付いていった。
まるで静まるところを知らないかの様であった。
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