携帯(電話)カメラの品位を高めよう フリーソフト処理編 2 (M 9)b

 Image Analyzer 及び Pict Bear を使用しての画質改善法を記述した後、GIMP にもレイヤー機能があるのを何となく思い出した。早速、外してあった、GIMP をインストールしてレイヤー機能を覗いてみると「オーバーレイ」があるではないか。

 それではということで、早速試してみる。手順はPhotoshop とほぼ同じである。

 先ずは、作例を見て頂きたい。

作例 (画像にポインターを乗せると補正した画像に切り替ります)

改善方法の実際
用意するもの
  • 画像処理アプリケーション(GIMP)
  • 作例3で得られた画像データー(処理したい画像と同じピクセルサイズのもの)
  • 補正したい画像データー
処理の概要
  • 作例3で得られた画像の階調を反転し、それを補正したい主画像とオーバーレイモードで合成し、ムラなどの歪みを打ち消すものである。

Step 1

この作業は、作例3で得られた画像データーのホワイトバランスを調整するための準備。

左のように短辺の寸法で中心から正方形にトリミングしてRGB各色の濃度中間値をヒストグラムで得る。この作業が終ったら、トリミングした画像を元の作例3に戻す(アンドゥーで戻る)。
(ヒストグラム表示例と解説を見る)

Step 2

カーブで作例3のホワイトバランスを補正する。

Rチャンネルの補正量は、
128−117=11
であるから、
X:233
Y:255
と表示されるまで、ハイライトポイントを移動して、カーブの中間点の入力値を139 (128+11) にする。

Bチャンネルの補正量は、
128−131=−3
であるから、
X:255
Y:249
と表示されるまで、ハイライトポイントを移動して、カーブの中間点の入力値を126 (128−3) にする。

この例ではGチャンネルの補正は必要ないが、誤差が生じた場合は、他のチャンネルと同様に処理する。

Step 3

Step2の処理が済んだ画像は、階調反転し、「ガウシアン (IIR)」で高周波成分のノイズを消す。これがシェーディング歪み補正用マスクとなる。

Step 4
Step3の処理が済んだ画像(補正用マスク)は、「オーバーレイモード」で合成する。補正効果の度合いは、「不透明度」で調整する。

何故かこのレイヤーのオーバーレイは補正効果が弱いのである。そのため、補正用マスクをコピーして2段にオーバーレイを効かせた。
 この補正用マスクは両方とも不透明度100%であるが、やや効き過ぎたようだ。片方は80%程度で良さそうだ。

独り言!
 補正用マスクは、コントラストを変更せず、階調反転しているだけなので、1枚で打ち消し合う筈なのにおかしい?

Step 5

Step4の処理が済んで統合した画像は、それで完成なのであるが、モデルにしたA5407CAは相対的にコントラストが強い。視覚的に黒潰れが目立つので左のようなカーブで補正してみた。

 作例は、このカーブを採用している。


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