1.結びについて
登場する結びは以下の通りで、結び方はリンク先(モーリスとダイワのHP)を参照してください。
(1)スイベル
ダブルクリンチノット
昔から私はこの結び方でした(これしか知らなかった)。引っ張り強さを測定した結果、スイベルのリングに通す回数を1回増やす「トリプルクリンチノット」にすると強さが安定することが判りました。
パロマーノット
強くて簡単な結び方として紹介されています。結ぶときに輪を通す作業が必要なので使用が制限される欠点があります(この欠点は克服可能:後述)
(2)直結
ブラッドノット
以前は直結と言えばこの方法しか知りませんでした。面倒なので実釣では直結はあまり使いませんでした。
ダブル8の字
非常に簡単に直結できます。こんなに簡単ならもっと前から直結を多用していたでしょう。
(3)針
外掛け結び
一般的な結び方で私もこの結び方です。この結び方で不都合を感じたことはありませんが、大型魚用には向かないようです。
内掛けクロス結び(スネルノット)
通称鵜沢結びとも言われ、強い結び方として紹介されています。私も結び方を試してみましたが、どこが悪いのか? 何度やっても引っ張り強さは外掛け結びより弱いという結果しか得られません。結び方の動画も参考にしましたがダメです。針とラインの方向が斜めになっているのが原因と思いますが、
直りません。よって今回の考察からは外しています。
2.測定法
測定に使用したもの(右写真)の基礎データは以下の通りです。
ライン :フロロカーボン1.7号(直径0.24mm:実測値)
針 :カットグレ7号(オーナー製、直径0.80mm:実測値)
スイベル小:リングの直径0.54mm。重さ0.1g(ジンタン7号相当)
スイベル大:リングの直径1.80mm、重さ1.8g(ガン玉6B相当)。
→強度測定に使用している大型スイベル
3.測定結果
各結び方で10回前後の測定を行い、その全データをグラフに示します。さらに平均値を数値で表示しました。
(1)パロマーノットはダブル(トリプル)クリンチノットより強いことが判りました。尚、直接対決ではパロマーノットの11勝2敗でした。
(2)パロマーノットでスイベルの大きさを変えて測定しましたが、スイベル小では強さが大きく低下しました。強度を求めるならデカいスイベルを用いるのが一番です。
(3)直結はスイベル小で結ぶよりやや強いとの結果です。直結法の比較では簡単なダブル8の字もそこそこの強度と言えます。
(4)外掛け結びは直結やスイベル小を用いた結びと比べると強いことが判った。
4.最強の仕掛け
大きなスイベルを用いてハリスと道糸をパロマーノットで結ぶのが最強との結果です。確実にオモリ(ガン玉)を使うことが判っている場合は、ガン玉は打たずにオモリ兼用の大きなスイベルを使用すると良いでしょう。ガン玉の傷が付かないこともメリットになります。立ちウキ仕掛けはこれで決まり?
5.パロマーノット
改
パロマーノットは簡単で強い結び方であることが判りましたが、欠点があります。結び方で判るように輪にスイベルを通す操作がありますので、仕掛けを作る時はハリスをスイベルに結んでから道糸とスイベルを結ぶ必要があります。ハリスを交換する場合は道糸も切って始めから仕掛けを作り直す必要があります。
これだとパロマーノットは強いけど使えない結び方・・・で終わりなのですが、パロマーノットの手順を変えればハリスも結べることがわかりました。最初に輪をスイベルに通した形から作り始めることでハリスだけ交換することができます。
本来の結び方よりちょっとだけ面倒ですが強いことを考えれば許容範囲と思います。
結び方は以下の通りです。
@リングにラインを通し、スイベルにラインを1周させてもう一度ラインをリングに通します。
Aスイベル側のラインを2本共指で摘んで持ち上げます。
Bリングから出ているライン2本を重ね、Aで摘んだライン(こちらも2本重ね)に通して輪を作る。
後はゆっくり締めてできあがり。Bの図だけみると真にパロマーノットですよね!
6.最後に
何人かの方に結び方の強さについての実験のリクエストをもらっていましたが、ようやく着手できました。結び方よりもスイベルの大きさの方が強さに差が出たのは意外でした。他に強い結び方があれば教えてください。結びの強さも試してみます。ただし簡単に短時間で結べるもの限定です。
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