ドバトのポッポポッポーずの紹介

ボランティアをしていて思うこと

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まだひ弱い雛がばたばたしていたり、弱った野鳥を見つけたら、「可哀想。なんとかしてあげられないかな・・」と 感じるのは、人として極普通の感情だと思います。
私も、そういう鳥を見かけたら、そばを離れる事はできません。だから、このボランティアに真っ先に登録しました。

近頃は、「野生動物保護」の観点で、自治体にも保護の制度が整いつつあります。 私の家にも、ここ最近、「お願いできますか?」と鳥がやってくることが多くなりました。
そして思うのは・・・「可哀想な誘拐を絶対にしないであげて欲しいな」と言うことです。



100%では有りませんが、殆どの場合は、親鳥がそばに居ます。
以前、雨の降る日、「ぎゃ〜」と大きな声がするので見ると、ムクドリを思われる雛がバタバタしていました。 道の真ん中なので、とりあえず、車にひかれないように端に追いやりしばらく見ていると親鳥が近くにやって来ました。
雨に濡れてちょっと可哀想でしたが、親は一所懸命子どもに呼びかけ、雛もそれに応えるように街路樹の影へ 隠れていきました。

つい最近、我が家にやって来た「ムクドリ」と「ドバト」の雛。 親鳥は本当に居なかったのだろうか・・と思います。
雛がやってくる度に、自然に返してやりたくて、なるべく気を付けて育てるのですが、人になついてしまいます・・・ 親鳥が育てても自然で生きていくことはなかなか困難です。ましてや人間が育て、自然でやっていけるとはとうてい思えません。 親鳥のように、一緒に付いて餌の取り方を教えてやる事無しに自然の中にいきなり放り出すことになります。
今までは与えて貰った餌を自由に思う存分食べていたのに、急に自分の力で食べられるものを探さないといけないんです。 自力で探せなくてお腹がペコペコになり、、ついつい人間の近くに「餌、ちょうだい」って近付いていくかも知れません。 鳥が大好きな人だったらいいけど、嫌いな人だったら「そばに来るな!」って追い払うだろうと思います。 もしかしたら、虐められるかも・・・
人間は親鳥の代わりは出来ないと、つくづく思います。

ついこの前、「弱ってる・・・」と職場の人がウグイスを連れてきました。
確かに弱っており、箱に入れて水と餌を入れてやりました。 元気になれば飛んでいけるようにと思い、「箱の蓋は開けておきますよ」と言うと、気に入らないようでした。
暫くして、箱の中でバタバタしているので覗くと、アッという間に空高く飛んでいきました。 「元気に飛んでいきましたよ(∩.∩)」と言うと、何か残念そう・・・

更に以前にも、メジロを同じように捕まえ、カゴに入れている人が居ました。
結構元気なので、「野鳥は飼ってはいけないし、もう元気そうなので、放してやったらどうですか?」と 私が何度言っても、「まだ可哀想。もっと元気になってから」なんて言いながら、結局家に連れて帰ってしまいました。
元気になればすぐに放してやらないとどんどん野生の能力が衰えるし、もしかしたらストレスで急に死ぬかも しれないし(鳥は急に弱り、死にます)、飼うことによって情が移り手放せなくなってしまいます。

私がボランティアを始める前、ご近所からジョウビタキを預かりました。(その頃は、飼うことが法律違反だとは知りませんでした。)
弱っていたんですが、2〜3日飼っているうちに元気になり、「明日放鳥しよう!」と思っていた矢先、 急に弱り、あっけなく死んでしまいました・・・病気だったのか、人間に飼われるストレスだったのか判りません。

我が家には今、恐らく交通事故と思うのですが、翼を骨折し飛べなくなったドバトが居ます。
当初は「治ったら飛べますよ」なんて獣医さんに言われていましたが、完全にぼきっと、皮膚を突き破るほど折れてしまった骨が まともな形にはなりません。その上、ずっとケージで飼っているのですから、筋力が衰えてしまい、正常に飛べるはずがありません。
怪我が治るまでは獣医さんで診て貰えますが、「傷が治れば放鳥」が基本です。
身体が不自由であっても、獣医さんに預かって貰うことは出来ません。まともに飛べない鳥を放すと言うことは殺すことと同じです。
身体の不自由な野鳥たちが過ごせる施設は普通は有りません。一般に、ボランティアの家で飼われることになるんですが、 野鳥なのに一生ケージの中で暮らすことになります。

野鳥を助ける事は本当に難しいことだと思います。
「雛を保護して、親の代わりに育ててあげて、本当によかったのだろうか・・?」「怪我してその時に死んでしまうのと、 野生らしさを失いずっと人間に飼われるのと、どっちが幸せなんだろう・・?」といつも思います。。
ペットなら「引き取ってあげる」「ずっと飼ってあげる」など、自分なりに結論が出せますが、野生動物なので悩みます。

「弱っている鳥を獣医さんに連れていってあげた」という行為は、一見とても優しい動物愛護の精神に満ちあふれた事の 様に思いがちですが、その保護された鳥たちが幸せな一生を過ごしているかどうかは全く判断つかず、 もしかしたらかえって不幸な結果を招いているのかも・・・と複雑な心境です。

傷ついた鳥や、バタバタしている雛を見かけたとき、こういう現実を考えて頂けると嬉しいです。

ところで、大阪府はドバトも一応野鳥に分類されていますので、ボランティアの対象になっています。でも、自治体によれば、野鳥には含まれていない場合もある、と言うより、大阪が珍しいのだと思います。
怪我をしたドバトを面倒見てくれる場所はなかなか無いのが現状のようです。
私は、ボランティアとして大阪府からの預かり物としてドバトを飼っていますので、私が自分勝手に引き受けて飼うことは出来ません。
市街地の室内で、他のペットの事も考えながら飼養していますので、その辺のことをご理解頂けると幸いです。



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