オストミー(人工肛門保有者)の生活日記



2001.09月
≪2001.09.03≫
涼しくなってきました。
暑い密室のトイレで、汗を流しながらの洗腸からもどうやら開放されて、ストーマちゃんも喜んでいます。
昨日の午後、丸3日ぶりに洗腸をしました。朝がたほんのちょっぴりウンコちゃんが出ていましたが、これはほんのご挨拶程度で、ほぼ丸3日持ったことになります。

涼しくなったとたん、ビールの量がガクンと減ったのもよかったようですネ。
ただし、なぜか洗腸はきわめて不順で、2時間近くたってようやく出終ったたという感じでした。涼しくなったこともあったし、読みかけの本が面白かったこともあって、トイレの中には正味1時間10分ほど座っていました。
感じとしては、体内の水分が少し不足していたかもしれません。というのは、この朝、久しぶりに1時間10分のジョギングで汗をかなりかいたのに、それに見合う水分補給が出来ていなかったみたい。
出具合があまりに悪いので、途中で300CCほど追加注入したりしました。

やっぱりもう少しビールを飲もうかなあ・・・・・と思案し、迷っているところです。

≪2001.09.05≫
昨日のこと、洗腸から2日目です。
とにかく出るは出るは、一発あたりのボリュウム特大オナラがじゃかすか出まくるのでした。それも音もなく“ブッワン”と言う感じでね。
パチンコの開放なら、もっと出ろ、もっと出ろ・・・・大喜びするところだが、出るものがこれじゃあね。
その日は定例の通院日、念のためにパウチを貼って行ったのですが、おかげで助かりました。あの異臭を撒き散らしたら大変でした。「すわっ、有毒ガス!」なんて騒ぎになりかねなかった。

ところがウンコちゃんの方は出ないのですよ。出るのはガスだけ。あれだけ出たら風船のように体がしぼんでしまうのじゃないかと少し不安を感じて鏡の前に立ってみたが、体型には何の変化もなかった。あのガス、どこから出てきたのかまったく不思議でたまりません。涼しくなってビールの量だってだいぶ減ってきているし・・・・・考えると夜も寝られなくなりそう。

結局丸3日が近づいた今日の午後、少しウンコちゃんが出てきました。
ほぼ3日過ぎようとする時点で洗腸をしました。

≪2001.09.09≫
健康マラソンの会というのがあって、今日はその例会に久しぶりの参加、死にそうなほど疲れて10キロを走ってきました。
したたる汗は滝さながら、頭からバケツの水を5杯ほどかぶったような姿でゴールしました。

例会に備えて昨夕洗腸は済ませてある。
これまでどおりストーマにはミニパットを貼りつけてヨーイドン(でも競争ではなくマイペースで10キロを走るだけ)、ヨレヨレで走り終わって競技場のシャワー室へ直行。裸になってストーマちゃんを見ると、オヨヨ・・・パットとが半分剥げている。いつもどおりしっかりと貼ったはず。落ち度があったとは思えない。こんなことは今までに一度もなかった。
どうやら原因はひどい汗、パットの接着面の肌だって汗腺があるから汗をかくのはあたりまえ。それで剥げたのだ。それにしても今日の汗はひどかった。
走っている間にウンコちゃんが出なくてホントウによかった。もしウンコちゃんが出てパンツなんかが汚れたらどうなっただろうか。

アクシデントはいつ起こるかわからない。くわばらくわばら。

≪2001.09.20≫
親戚のお祭りに招かれて行ってきた。

お祭りと言えば酒とご馳走、私も相当の覚悟を持って?出かけることにした。覚悟とは酒とご馳走、さされるまま、すすめられるままに、飲みかつ食うのことである。
当然そのあとの下から出るべきものについても深く思いをいたさなくてはならないが、やはりその場の雰囲気と言うか、「いや、私はもう・・・・」なんて言って周囲を冷めさすわけにもいかない。

ということで出発前の朝、しっかりと洗腸すませて準備怠りなく家を出た。先方の家に着くまでマイカーを運転すること数時間以上。
暗くなるのを待って予定通りの飲み食いのスタート。最初は後で出るべきウンコちゃんのことも考えていたが、そのうち面倒になってビールも酒もさされるままに、そして食べる方もどしどし詰めこんだ。

案の定、翌日はガスの連発、そして2晩目も同様の飲み食い。もうどうなったって知るかという投げやりな気分と開きなおり。

翌朝厚く礼を述べて辞した。既にこの時点で洗腸から48時間経過。不思議なことにウンコちゃんが出ていない。あれだけの飲み食い、そんなはずはないのだが・・・・しかし出ていなのは事実。
このあとテッィシュをあてがっただけで小さな山へ登った。下山後野天洗腸をしてマイカーに寝る予定だったが、何だか面倒になってビジネスホテルへ入ってしまった。

あの飲み食いで結局洗腸まで50時間ウンコちゃんはなかったのだ。洗腸をしなくてもあと12時間くらいはもったかもしれない。これはスゴイことである。

≪2001.09.26≫
サイクルからいうと、昨夕は洗腸だった。あまつさえ一昨日(洗腸から48時間)夕刻からウンコちゃんが出始めていた。存在感を知らせるためのウンコちゃんで、チョッピリ出るだけでだと思っていたが、どもそうではないらしい。
量は多くはないが、断続的にチビッ、チビッと出てくる。仕方なくパウチを貼る。

その晩はパウチをつけてウンコちゃんと一緒に寝た。
さてと、朝起きて洗腸しようかと思ったが、何だか気が進まない。パウチの中のウンコちゃんの量はたいしたことはないので、引き続きパウチはそのままで継続。ねちゃっとしたウンコちゃんがストーマ付近のパウチの内側にくっついた下まで落ちて行かない。イヤな作業だがしょうがないから指でしごいて下へ押し下げる。当然のことながらパウチの中は見るからに生々しい汚れで[うわあっ、汚ねエ」。
夕方には洗腸丸3日。なのに洗腸気分が盛り上がらない(あたりまえ、洗腸で盛り上がるバカがいたら教えて欲しい)。かくしてウンコちゃんを抱いたまま夜を迎えた。溜まったウンコちゃんも増えてきたし、気になって気になってしかたない。だけど冷静に考えて見ようヨ、私にとってパウチは「直腸」の代用品、ウンコを外界に出す前の一時貯蔵所ではないか。君だって、貴女だって、何がしかのウンコちゃんは直腸に溜まっているのだ。ただ見えないだけ。原理は同じ。そう思うと何だか気が楽になった。

そして3日と半日過ぎた今朝、士気を鼓舞して洗腸した。
ひれが何とも不調極まりない洗腸で、注入から最後と思える排泄までおよそ4時間、イヤイヤ気分が原因していたような気がする。たかが洗腸、されど乙女の心臓のようにメンタル的に微妙なものなのがあるのかなあ・・・・・。

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