「へー、院長先生独身なんですか…。」 キテレツが話題替えに協力する。 「ほーねんちゃ。あいつも今年で40やしな…どや?看護婦さん。玉の輿っつうのは…。」 「えぇっ?何ですか、急に…。」 心なしか顔を赤らめている市川に気づかないまま話が続く。 「わし、院長の大学生の頃知っとるけど…そん時な、同じ大学の彼女がおってな…。」 その一言で病室内は盛り上がり始めた。 「ねぇねぇ、その人とはどうなったの?」 ソラは目を輝かせている。 「それが可愛い娘やってな。どっかの病院の娘さんでな。自分も医者を目指しとるっ ちゅうとった。」 「顔良し、頭良し、おまけに金持ちか。」カンフが指折りながら頷く。 「でも、一番大切なのは…な、中身ですよね。」市川が口を開く。 「何じゃ、急に…。ま、確かに人間は中身が大切やな。」 「その人はどうだったんですか?」 キテレツがじいさんの顔を覗き込む。 「性格も良かった。」 「へー、完璧じゃん…。っつうことは院長先生が振られたんか。」 カンフがじいさんのベットに腰掛けた時ページをめくる