「人が居ないところで何を話しているんですか。」
「お、山地。いいとこに来た。今おまえの話しとってん。」 「聞こえてましたよ。もう、いいじゃないですか人の過去なんか。」 「俺、興味有る!」 ソラが口火をきる。 「俺も!」 「僕も!」 「わしも!」 「私も…。」ソラ達の側でソラの母も小さく手をあげている。 「お母さんまで…。ちょっと市川君、頼むから何とか言ってくれよ。」 「私も興味有ります。」 そっぽを向いて市川が答える。 院長はあきらめたように側にある椅子に腰をかけ、話し始めた。 「私が大学生の頃は鳥人間コンテストに夢中でね、毎日毎日飛行機づくりに没頭してい た。第2回大会に向けて制作を始めた頃、ある女の子が「自分にも手伝えることは無い か。」ってやって来たんだ。」ページをめくる