のっけから龍騎VSナイト。で、戦うって決めたわりに、やはりナイトに攻撃出来ないで苦悩する龍騎。そりゃあ、そう簡単に頭切り替えられないのが普通だと思います。で、結局は時間切れ。この時間切れってシステムは、制作側の都合のいい設定って、ずっと思って見てましたが、今になると私にとっても救いです。でも、決めた通りに戦えない自分に絶望して自棄になる龍騎を、モンスターの群れに気づいたナイトは連れて帰ってくれました。真司はずっといい子で、正義感が強くて、一生懸命ってところは、結局変わってないけど、蓮は見た目に随分と変わったものです。以前なら、置いてったかも知れない。出会ったばかりの頃なら、これ幸いって感じだったかも。でも、実際には見殺しに出来るような性格ではないってところは、変わってないのかも知れませんが。
優衣の誕生日まで余裕ないって嘆く真司。ミラーワールドから出てからの二人の場面も、一人で悲劇のヒロイン……じゃなかった、ヒーローになってます。辛いのは、蓮も同じじゃないかと、蓮FANの私は思うわけですが。蓮の行動は矛盾しまくりです。あれだけ、恵里のためにと言い張って、それで戦えって龍騎に迫ってたわりには、誰にもトドメなんか刺せないし、結局のところ龍騎相手にも、本気で戦ってるようには見えない。でも、口に出して騒いで大袈裟に苦悩する人ばかりが可哀想だとは思えないんですよ。その行動の矛盾によって、蓮だって苦しんでるのが解るし、真司みたいにそれを態度に出せないだけ、もっと辛いかも知れないと思ったりします。
けど、今週の真司は、ずっとそうやって態度に出してたのに、逆に引っ込めようとして無理に笑ったりはしゃいだりしてて、それがとても痛々しくて見ているこっちの胸まで痛くなってくる感じでした。北岡の「見てられないよ」って言葉に、思わず深く頷いてしまうぐらい。
病院から帰るところの、北岡と吾郎ちゃん。先生は、車に仕掛けをしたのが吾郎ちゃんじゃないかと確認してる。吾郎ちゃんは「先生が浅倉に負けるなんて思ってません」だそうです。なんかもう、吾郎ちゃんの認識としては、先生の敵イコール浅倉なんですね。ミラーワールドやライダーがどういうもんだかどこまで聞かされているのか解らないですが、真司は蓮は敵だと認識してないのかな、と。実際、14話みたいに生きてて良かった、なんて手を握られたりして、あんな真司を見て敵と認識するほうが無理かも知れませんね。
ミラーワールドから花鶏に戻った真司と蓮。真司の態度の豹変。そして、わざとらしいまでの元気で能天気な様子を、蓮はじっと心配そうに見てました。
優衣も、真司のわざとらしい元気の良さに気づいて、自分のせいだと哀しそうにしてました。で、自室に戻り真司のベッドについてるカーテンを勢いよくあけたら、真司はベッドに座り込んで笑ってるんですね。顔にはりついた「笑い」の表情。でも、やっぱり笑ってるというよりは、ただ笑う形に顔の筋肉を動かしただけ、というか。で、蓮にはまたそれが衝撃で、何も言えなくなってしまう。
北岡事務所では、ケーキに蝋燭をたててみんなでお祝い。吾郎ちゃん、誕生日でしたか。おめでとう、とか言ってました。花鶏でまだXmasだったということは、吾郎ちゃんの誕生日って12/25ぐらい? もしくは、26日?
で、そんな誕生Bのパーティの最中に真司は北岡事務所を訪ね、ライダーなんだからやっぱり戦おうと、北岡をミラーワールドに誘う。なんだか、こんな際なのに「ミラーワールド行こう」と、北岡の腕を引っ張る姿が、妙に可愛くて笑ってしまいました。
北岡は結局真司の誘いを却下。大事な吾郎ちゃんの誕生日なのに、戦いになんて行ってるひまないですよね。そういう意味じゃない? もう、かなり戦意喪失している感じですね。虚しいし、大事な人を哀しませたくない、というところでしょうか。
そうして、北岡はいつかの「借り」を、蓮に電話して「城戸真司がやばい」って知らせることで返したわけですね。それで、借りを返したことになるという北岡の判断って、蓮=城戸の保護者?
おばさんは、昔、神崎兄妹が暮らしていた家のことを、渋々ながらも語りだす。で、優衣は蓮と一緒に、また旧神崎邸へ。家族旅行のはずなのに、兄と優衣しか描いてない絵。そこに、神崎の執着の一端が見えたのかも知れません。二人きりで、閉じ込められていたと、優衣のおばさんも言ってます。優衣の思い描いた家族旅行や、幸せな家族像は、全部幻想で、現実にはずっと兄と二人きりの世界しかなかったとしたら? 案外、二人の両親の交通事故だって、士郎の仕業だったりして。考えすぎですか?
蓮は、なんとか優衣の周辺を探ることで、解決の糸口を探そうとしているのかも知れません。でも、真司はもう、とにかく何も考えず戦うことで、優衣を助けようと考えています。
で、浅倉探して絡まれたとか。それより不思議なのは、そんな風に真司は浅倉を探しても見つからないんだけど、蓮と優衣は簡単に真司を見つけられることですね。やはり、蓮には真司探知センサーでも内臓されてるんでしょうか。それとも、発信機でも仕込んでる?
そんな噂の浅倉は、顔を煤で汚しながらも、ぴんぴんしてました。良かった、生きてて。
そこらのチンピラにやられたのか、ふらふらしてる真司を、蓮が連れて帰ろうと引っ立てるところがまた、いい眺めです。でも、そこにモンスターの気配がして、結局二人で変身!
モンスターを倒したあと、そのまま再び龍騎VSナイトの戦いに突入。ミラーワールドの外から、必死に止める優衣。こういう場面、前にもありましたよね。あの時には、一方的にナイトだけが戦う気で、龍騎にはまったく戦闘の意志がなくて。それで、優衣がガラス割ってでも止めて、真司に3万円の借金が出来たわけです。なんかもう、はるか昔みたいですが、あれからまだ一年は経ってないんですよね〜、と感慨にひたってしまいました。
何も考えないで戦う。と決めたわりに、結局はまだ迷っている真司。優衣の泣き叫ぶ声にも止められて……でも、あの場面で不思議だったのはナイトの静かな態度。反撃する様子がまったくなかったのは、やっぱり優衣の声が聴こえたせいでしょうか。それとも、見かけ以上にダメージが大きくて動けなかったのかな。もうこのまま、龍騎にやられてもそれで優衣が助かるなら、いいかも知れない、って思ってしまったのか?
とにかく、優衣の声に逆らえず、剣を取り落とす龍騎。まぁ、逆らえなかったのか、最初からやっぱり蓮に剣を振り下ろすなんて出来なかったのか、どっちなのかは解らないんですが。
その頃、弁護士事務所では、皿だかを割るめぐみ。相変わらずそそっかしいです。で、それを叱る島田。「秀一は太っ腹だから」などと、あまり反省の色がないめぐみ。続けて、また食器の割れる音。呆れた様子の島田。でも、その食器を割ったのはめぐみじゃなくて……。なんだか、すごい泣かせる演出でした。めぐみが、そそっかしい、って設定がこんなとこで生きてくるっていうのも、すごいです。
椅子でぐったりして動かない北岡。足許には割れたコーヒーカップ。キッチンからダッシュかける吾郎ちゃん。
「先生、先生っ、返事してくれよ!」って、初めて敬語じゃなかったのが、こんな場面とは、また泣かせる。
で、先生はどうなっちゃうの? 泣きながら謝る真司と、泣きながら謝る優衣と、そんな二人を見守りながら、泣けない蓮と。
士郎の「タイムリミットだ」って言葉で、以下次週。あ、次週ってか、来年なのね。
◆第48話◆◆
とーえい公式見なければ、解らなかったことなんですが……いいですよね、公式頁に載ってるネタバレだから。先生は、病室にいました。なので、まだ生きてます。良かったです。なんかもう、これ以上誰にも死なれたくないです。で、映画に出てくるあの場面では、映画のときよりも、随分と人が減ってしまってました。
↓不謹慎ですか?
切なくて、哀しい話だったのに、ツーショットが多くて嬉しかったです。いやぁ、蓮はまた別の意味で開き直ったんでしょうか。北岡から「貸し」を返してもらったときにも、別に文句言う様子もなく、それが当然って態度でしたし。自覚してるんだなぁ、と思ってしまいました。城戸のことを自分に教えるのが、貸しを返してもらうことになる、と。で、上に書いたみたいな壊れ方を真司が出来るのも、蓮あってのことなんじゃないかと思ってます。蓮がいてくれるから、安心して自分だけの苦悩にひたっていられるわけでしょう。優衣がどんな思いでいるかとか、それで自分が周囲にどう見えるかなんてことも、まったく気にしないで。どこまでも、いいバランスの二人ですよね。蓮もまた、真司がいい人やってたからこそ、悪い奴でいられたんだなぁ、としみじみ思う年の暮れ。いや、もう明けてしまったので、しみじみ思う年初め、でした。ちゃん、ちゃん。