優衣は12年前に、本当は病死していたらしいです。病死……の原因は恐らく両親の虐待。死にそうな子供とその兄の訴えを無視して監禁していたとなったら、病死というより殺人に近い印象なんですけど。
しかし、二人きりで閉じ込められてミラーワールドを作り上げていたせいなのか、優衣は鏡像の存在と一体化して二十歳まで現実世界に留まることになったらしいです。というところからして、とっても不思議なので、そういう不思議が起きる世界という前提で、この物語を楽しみたいと思います。が、そうなると、神崎兄の「戦いのあと最後に生き残った命をおまえにやる」という発言も、そういう不思議なことも出来る世界設定なのだと納得するほかないわけです。だとしたら、それを目の前で聞かされながら、それでも戦いを続けると言った蓮は、優衣の消えたショックで聞き逃してしまったのか、それとも聞き取れているのに、まだ自分の都合のいい解釈を無理矢理しているだけなのか……ある種の不思議を認めると、また別の不思議が気にかかってしまいます。考えすぎですか? 神崎に騙されてるとしても、それでも優衣が助かるならそれでもいいと、そういう考えの可能性もあり?
最終回を一話残した時点で、まさか優衣が消えてしまうとは思わなかったので、驚きました。
真司は旧神崎邸の前で、令子さんに「あなたが仮面ライダーなの?」と、奇しくも(それとも、これが予定調和?)優衣が初対面で言ったのとほぼ同じ質問をされてしまう。結果、それを目撃した令子さんじゃなくて、編集長に経緯を語ることになる。色々と証拠はあったわけだが、よく変身して見せろと言われなかったなぁ、なんて……何を期待しているやら。
その頃弁護士事務所の二人は、相変わらずの麗しい二人の世界を満喫していました。吾郎ちゃんのおかげで、日々満足なんですと。んな告白しておきながら、令子さんをデートに誘うと言われてもねぇ。
で、オレジャーナルにかかってきた電話を聞きつけためぐみは、令子さんにデートを承諾するように頼んだりしてます。その脇にいた島田は、真司に北岡が不治の病だと教えてます。先週になって島田さんが北岡のこと思い出したのは、この流れに繋がってきたわけなんですね。真司としては、北岡の戦う理由もまた、彼にとっての正義であったのだと気がつく、という。
浅倉は、潜伏先を警察に突き止められ、抵抗したら射殺もやむなし、な状況。せっかくだから、また何か食べててもらいたいところでしたが、ただ立っている姿だけでした。台詞ないし……。
現実世界に大量発生したトンボのモンスター。生身でも強い蓮と真司が、恰好良かったです。でも、真司は女の子をかばって、背中をぐっさり刺されてしまいました。その怪我を負ったままで、変身して大量のモンスター相手に戦った末、現実世界に戻ってくる。
真司は、辛い思いをしても、させても、それでもミラーワールドを閉じたいと蓮に話す。蓮は、生きてそれをかなえろと、死ぬなってよびかける。もう、ここらあたりで、画面が涙ににじんでしまって歪んで見えました。本当に、こんなに辛いことになるとは思ってなかったです。最終回前に主人公が死ぬわけないとも思ったし。でも、そうは思っても、涙は止まらないんですよね。せっかく望むものを選んで、はっきりと口にすることが出来たのに。時間が足りなかった。その無念の思いがどれぐらいのものか。それも、可哀想ではあるんです。本当に、どうしてこんなに辛くて哀しい思いばっかりで、逝ってしまわねばならないのかと思うと、真司のためにも辛い気持ちになります。が、やはり、生きている以上、どうしたって死んでいく人の気持ちは想像することしか出来ません。でも、残されたものの気持ちは想像ではなく実感として何度も味合わされてきている思いです。あれだけ反目し合い、どこまでも意見の食い違いを見せていた蓮が、真司の手を握り締めて「死ぬな」と叫んだ気持ち。それが、どんなものだったかと思うと、今これを書きながらまた「思い出し泣き」しそうです。
しかし蓮、いつまでも手を握ってるぐらいだったら、さっさと救急車よんでよ。とも、思ってしまいました。そんなこと、考えつけないぐらいに動転してたのかも知れないし、すっかり息が止まってしまったことが解ってしまったせいかも知れないんですが。
そんな放心状態の蓮がまた、すごく可哀想でたまらなかったです。目を開けてるのに、どこも見てない目で、脱力して車に寄りかかっている姿が。
なのに神崎兄は容赦なく、最後のライダーとしてオーディンと戦えと言ってくる。オーディンって冒頭で、龍騎とナイトが二人がかりで、というかナイトのファイナルベントで殺されたんじゃなかったのか。あれでも死んでないとしたら、蓮に勝ち目は最初からないように思えるんですが、どうなんでしょう。
北岡事務所では、吾郎ちゃんが令子さんとデートのときのスーツはどれがいいかなどと北岡に聞いてました。けど、結局北岡はデートよりも、浅倉との決着、を選んだようです。浅倉、やっと思いが通じたらしいです。デートしておしまいなんて、つまんないって思っていたので、北岡先生のこの決断には思わず拍手したくなりました。
さて、ナイトVSオーディン、ゾルダVS王蛇の戦いやいかに、というところで以下次週。
◆最終回◆◆
一年、早すぎです。去年の今頃、予告編を見たときには、ここまではまってしまうとは、思いもしませんでした。毎週思っていたことですが、今回は特に思います。早く見たい、でも、見たくない、と。
↓真司の最期
蓮が抱きかかえてたら、手塚とかぶるから、手を握ってたのかな? と、思ってしまいました。上記の通り号泣しちゃいましたが、それでも誰か別の人に看取られるよりも、ずっと嬉しくはあるのでした。あと30分しかないけど、ちゃんと仇をとってよね、蓮。