
其の13
1998.04.24(金)
ソティス(シリウス星)
| 星の話、さらに補足です。 古代エジプト人が何故、シリウス星を重要視したか、それは、全天で一番明るい星であったということと もうひとつ、シリウス星が太陽に近接して、約70日程姿を隠した後、日の出直前に現れると、それから程なくして 彼らの生活に大きな影響を及ぼすナイルの増水が始まる現象が確認されていたからです。 このシリウス=ソティスが ヘリカアル・ライジング(日の出前出現)する日が、エジプト暦の元旦とされました。ユリウス暦でいうところの 7月19日頃です。このソティスの出現と、ナイルの増水開始時期を元にした1年を365日という暦を手に入れ、 しかも、ヘリオポリスの創世神話によれば、トト神が月と争い、12の同じ日数からなる月の毎日の1/70を勝ち取り 月を元にした暦の一年360日に、この日を付け加えて、一年を365.1428日としたという、現在の暦の一年=365.2422日に 非常に近い暦の計算を行っていたというのは驚くべきことですね(^^;) もっとも、実際にファラオが使用した公式の暦は 何故か、1年=365日で、4年に1日のずれは考慮されておらず、元旦は、ソティスの出現、及びナイルの増水から どんどんずれ、それが再び一致するまでの1460年(365*4)は、ソティス周期と近代の学者に呼ばれているということです。 なお、ソティス日とシリススの出現がきちんと重なった記録として、紀元139年があり、これの逆算により、この ソティス暦の採用が、紀元前2781年あるいは紀元前4241年頃というのが候補とされるということです。 もっとも、最近読んだ本、『シリウス・コネクション』では、このシリウス暦を始めエジプトの文明は、アトランティスの 遺産、あるいは、シリウス星からやってきたシリウス人の遺産では無いかという説が展開されておりました。 いずれにせよ、ナイルの増水という、生活に密着した、というより死活問題にかかわる様な自然の法則であった とはいえ、この周期を紀元前の時代に知識として持っていたというのは、すごい! 一体、どんな風に観察して この法則を発見したのか、そんなことが気になってしまいます。 ところで、シリウス星というのは、明るいだけあって、地球からの距離が焼く8.4光年と、地球にはもっとも 近い部類の星です。従って、シリウス星から高度な文明が地球にもたらされて云々という『シリウス・コネクション』の 主張自体は、そうとんでも無い飛躍でも無いかと思いました。 もし宇宙人がくるならやはり近い人(?)がくるだろう…と 安易に思っただけですが(^^;) でも、ナイルの増水周期とシリウス出現の結び付けは、やはり地道に観察した人達がいたからこその知識、に違い無い…かな? ☆. ・(゚゚ ) |
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