(ジョギングのコーナー)
(80)いつかフルマラソンを

フルマラソンへの準備
日本百名山踏破完了、そして手術後満5年を控えて「統計上の癌完治」。
気持ちの上では大きな区切りがつけられた。
しかし「いつかまたフルマラソン完走を」と言う約束がすぐに果たせるわけではない。
細々とジョギングは続けていたが、今の力でフルマラソン完走など到底おぼつかない。
1年がかりの準備を始めた。

一方、日本百名山が終っても、「癌との戦い」という気負いとは別に、登山の魅力に嵌まり込んだ私は、この登山から遠ざかることができなかった。大袈裟に言えば、登山は私の人生の一部分になっていた。
対象は百名山ではないが、相変わらず同じような頻度で山へ出かけていた

2足のワラジ
勤務のかたわら、ジョギングの時間を多く確保するのはなかなか骨の折れることであった。
土日は山へ行くことが多い。ジョギングは早朝、又は勤めから帰った後と言うことになる。これでは長い距離を走ることができない。
試しに10キロの大会に参加してみた。
  小田原マラソン・・・48分58秒
  横浜マラソン・・・・・48分27秒
5年間のブランクで、走力の落ち込みをはっきとり自覚した。フルマラソンを走る脚力には程遠いのがよくわかった。
気持ちを入れ替えないと、フルマラソン完走は実現できそうにない。

そして百名山を終った翌年の春、これから1年をかけて脚力をつけるべく練習を開始した。
走る環境は長野市にいたときのようなわけにはいかない。 住宅や商店の過密地域でまともに走れる場所もなく、商店街の人通りの歩道、すぐにぶっつかる信号、劣悪のジョギング環境だ。
しかしこの問題はどうすることも出来ない。 比較的スムーズに走れるのは、人々が起き出す前の早朝だった。なるべくその時間帯を選んで走るようにした。
スタミナをつけるためには、走る時間も、これまでの1回20〜30分を少しでも長くするようにしなくてはならない。 回数も増やす必要がある。
登山の頻度を保ちながら、ジョギングとの二足のワラジを何とか両立させるために、私の1日の時間はいっそう窮屈になり「時間が足りない。もっと時間がほしい」と言う気持ちはますます切実になっていった。


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