( ガン告知  手術  手術後の経過  手術から13年後 )

前立腺ガン告知まで
2004.02.12 フルマラソンを控え、念のためのチェックのつもりで人間ドックへ。それが思わぬ結果に。

2004.02.24 後日泌尿器科で精密検査。腫瘍まーかーの一つPSAが5.8。前立腺ガンの疑いあり。
超音波検査。さらに普通は直腸から指診やエコー検査や組織採取を行うのが普通。ところが直腸ガン直腸は切除してし今は無し。

≪参考≫
PSA 4.0以下    正常範囲
    4.0-10.0    10〜20%ほどの割合で前立腺ガンが見つかる
    10.0以上    50%以上の割合で前立腺ガンが見つかる

2004.03.12 ≪組織採取による生検≫

所要時間は20分ほど。
局部麻酔をしてから、会陰部に大きな針を刺して前立腺組織を採取。7回針を刺されました。その都度“ガチャンと何かが壊れるような不気味な音。多少痛いが麻酔が効いてガマンできないような痛さではない。でももう一度と言われても、もうカンベンをという気分。会陰部というのは肛門と陰嚢の間です。直腸と皮膜1枚隔てたお隣さんです。


2004.03.19 ≪前立腺ガン告知≫

ためらいもなく「検査の結果、ガンがありしまた」とのお告げ。
ガン体験者(直腸)としては頭が真っ白になることもなく冷静。
インターネットで仕入れた知識をもとにいくつか質問しました。
  ▼7ヶ所組織採取したうちの4ヶ所からガンが見つかった
  ▼中分化型の腺ガンである・・・悪性度の高いガンも見つかった。
  ▼ステージはU
  ▼病気はT2B(前立腺の両葉にガンが見つかったが、前立腺皮膜内に限局している)

結論は『早期』のガンでした。骨転移が多いのが特徴、次回『骨シンチ』の検査の指示。
22日後にはフルマラソンが控えている。連日トレーニングに励んできたこともあいり、走りたい旨を申し出ると「いいですよ、よけいなストレスを溜めるより、やりたいことはやった方がいい・・・・」との返事。。

2004.03.24 ≪MRI検査を受ける≫
磁気共鳴画像診断という検査です。造影剤を用いて腎臓、膀胱などの尿路系の様子を撮影していきます。
遮音ヘッドフォンで耳を覆っていますが、工事現場の掘削音に似たダッダッダッ・・・というやかましい音。30分ほどの検査でした。

2004.04.05 骨シンチ(RI)検査。
がん告知後も毎日1時間から3時間のマラソントレーニングを続行。

骨シンチは痛くも何ともない検査です。マラソン大会の2日前、4月9日に結果を聞くことにしました。マラソンを棄権することは露ほども考えていない。

200404.09 骨シンチ検査の結。
ガイコツのように写った全身像を見ながら説明。右肋骨2ヶ所に素人目にもわかる影があね。「ケガなどの心当たりがありませんか?」ああ、そうだ。4ヶ月前夜明け前の走り込みのときに、つまづいて転倒、胸の痛みが引かないので同じこの病院の外科でレントゲンを撮ってもらったことがある。ヒビか骨折かもしれないとの診断だった。「それにちがいない、よかった」転移ではないということでした。万一転移であれば余命ナンボの世界
セカンドオピニオンをどうするかという話しがあるも「けっこうです」と回答。ネットを見るとでこの病院の前立腺ガン摘出症例は年間60件、十分な実績があり安心して任せることにした。

今後の治療について
早期かつ前立腺内に限局しているので根治的療法の前立腺摘出を勧めたいとのアドバイス従うこととする。
手術日は、47日後にケ鄭決定。

担当医から「マラソンがんばってください」との一声あり。安心してマラソンに参加することができる。

2004.04.11 制限時間内でフルマラソンを完走。楽に走れてタイムも4時間43分とまずまず。

2004.04.30 ≪術前検査と手術の詳細説明≫

●手術はヘソの下から恥骨までを切開して、前立腺及び前立腺部分の尿道、それに精嚢を摘除する。
●転移しやすい骨盤腔内リンパ節も摘除する
●切除した尿道は膀胱につないで縫合する。
●20%ほどの率で吻合部が狭くなって尿が出にくくなることがある。そのときは広げる措置をとる。
●以前直腸摘除術を行っている関係で、癒着などがあると手術は少しやっかいかもしれない。ただし隣接する直腸がないということは、その分楽というメリットもあるうだ。
尿道括約筋を傷つけるので尿失禁は必ず起きる。ただし多くは次第に回復する。私の場合は直腸手術をしているために、場合によっては回復しないこともありうる。
●勃起神経を温存できるかどうか難しいが、ガンを取りきるためには温存を諦めた方が良い。
●手術に際しての人工肛門の保護は医師が考えるから心配ない。
●所要時間は3時間程度。
●手術後はPSAを見ながら場合によってはクスリによる治療を行う(ホルモン療法)

直腸のときの手術にくらべると時間は半分以下、それに痛みも比較にならないほど軽いと勝手に思っていたから苦にならない。なにしろ直腸・肛門切除後のときの痛みは半端じゃなかったから。

通常は手術1週間前に入院して術前検査が行われるようだが、この病院では手術の1ヶ月も前に終了。

2004.04.30 前立腺の手術は大量出血を伴うことがあるしらい。輸血用に自分の血液を事前に貯血しておきたい旨申し出て、400cc採血。万一足りなくても病院のものを使うから心配ないとのこと。

2004.05.10 400ccの貯血用血液を採ってもらう。

2004.05.24 明日は入院です。
万が一ということもある。家庭経済のことなど妻に分かるようにしたり、一応の身辺整理や説明をする。結婚40周年記念にしてはささやかですが佐渡旅行をしたり、離れている孫の顔を見に行ったり、老母に会いに行ったりとけっこう忙しく時間を過ごしてきた。日課の早朝ランニングも、入院前日まで休まず。毎月連続登山もこの5月で200ヶ月目、途切らせないために、この5月は浅間石尊山、佐渡の経塚山・大地山へ登った。

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