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  1. 古代の天体観測-方位を知る
  2. 北の空の星座-『滅亡を知らぬもの』
  3. 古代に知られていた惑星達-『休むことを知らない星』
  4. 様々なものに見立てられた北斗七星
  5. シリウス星(天狼星)
  6. 昼の書、夜の書(太陽の再生の旅)
  7. デカン(十分角)





1.古代の天体観測-方位を知る


 エジプト、と聞くと大抵の人が思い浮かべるのは、ピラミッドでは無いだろうか?
 ピラミッドは、ほぼ正確に東西南北を示している。古代エジプト人は、北天の星(周極星)が決して、地平線に沈まないことを知っており、この星を観測することによって正確な方位を求めたのである。

北天の星を使って方角を知る

 具体的には、先ず視界から地平線が見えなくなる程の高さの円形で水平な壁を先ず作る。観測者は、この円の中央に立ち、周極星のなかから特定の星を選び、この星が東の空に現れた時、この星の現れた壁の位置に印をつける。この位置から中心に向って線を引く。次にその星が空を移動し、西に沈む際、再びその位置を記録し、そこから中心に向って線を引く。こうして引かれた2本の線で作られる角度を2等分した線が真北を示すのである。

 こうした古代エジプトの天文学的な知識については、ペジ・シュス(『綱張り』)の儀式についての記述でみることができる、もっとも古いもので第2王朝のカーセケムウイ王 (BC2686頃)の花崗岩ブロックにみられる。アストロラーベ天体観測儀と同じような働きをする 「知ることの道具(メルケト)」と、ヤシの葉の主葉肋で作った照準器を用いて、大熊座とオリオン座を観測して、方位をはかったが、こうした測定による誤差は1度の半分以下であったという。



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